AI Overviewsでクリック数は一部減りますが、深い分析・一次体験・比較検証を備えた記事には流入が残ります。Googleが不要とする対策、Search ConsoleでのAI表示の確認と除外設定まで解説します。

AI Overviewsで流入は減る?それでも残るコンテンツの3条件

結論:AI Overviews(Google検索の結果に表示されるAIの要約)によって、Webサイトへの流入は一部で確実に減っています。しかし、AIが答えきれない「深い分析」「一次体験」「比較検証」を備えたコンテンツには、引き続き流入が見込めます。

AIの要約は「すでにネット上にある事実」をまとめるのは得意でも、独自の経験や検証にもとづく一次情報までは作れないからです。本記事では、流入減の実態を示すデータ、Google自身の説明、AIに要約されにくいコンテンツの条件、そして自社のコンテンツをAIにどう扱わせるかの選択肢までを整理します。

1. AI Overviewsとは何か、なぜ流入減が心配されるのか

AI Overviewsは、Google検索の結果の上部に表示される、AIによる要約です。さらに2025年9月には、AIと対話しながら検索できる「AIモード」も日本語に対応しました。利用者が検索結果の画面だけで答えを得られるようになるため、サイトへのクリックが減ると心配されています。検索してもどのサイトもクリックされない状態を「ゼロクリック検索」と呼びます。

特に、次のような「答えが一つに定まる」検索は、AIの要約だけで完結しやすい傾向があります。

  • 用語の意味(例:「GEOとは」)
  • 単純な手順(例:「PDFにパスワードをかける方法」)
  • 事実の確認(例:店舗の営業時間、定義、公的な数値)

2. データで見る流入減の実態

流入減は、感覚論ではなく調査で確かめられています。

  • 米国の調査機関Pew Researchの調査(2025年7月公表):米国の成人900人の実際の閲覧データを分析したところ、AIの要約が表示された検索では、サイトへのリンクがクリックされた割合が8%で、表示されなかった検索の15%のほぼ半分でした。要約の中に示された参照元のリンクがクリックされたのは、わずか1%でした
  • ゼロクリック検索:米国のマーケティング調査会社SparkToroの2024年の調査では、米国のGoogle検索の約58.5%がどこもクリックされずに終わっていました。Similarwebの調査では、ニュースに関する検索でクリックされない割合が、2024年5月の56%から2025年5月の69%に増えています

ただし、これらは検索全体の平均です。すべてのキーワード、すべての業種で同じように減っているわけではありません。

3. すべてが減るわけではない:残るコンテンツの3条件

用語の意味や単純な手順、事実の確認はAIの要約で完結しやすく流入が減りやすい一方、深い分析、一次体験、比較検証はAIが答えきれず流入が残りやすいことを示した図

コンテンツの種類

AIの要約で完結しやすいか

流入の残りやすさ

用語の意味・定義

完結しやすい

低い

単純な手順・事実の確認

完結しやすい

低い

深い分析・独自の考察

完結しにくい

高い

一次体験・体験談

完結しにくい

高い

比較検証・実測データ

完結しにくい

高い

1. 深い分析・独自の考察:AIは一般的な正論をまとめられますが、「特定の業界で実際に何が起きていて、それをどう解釈するか」という踏み込んだ分析は、書き手の視点があってこそ生まれます。

2. 一次体験・体験談:「自分で使ってみた」「現場で試した」という経験は、その人にしか書けません。新しいツールを実際の業務に入れた感想、失敗談、想定外だった点などは、AIが他のサイトを要約しても再現できない一次情報です。

3. 比較検証・実測データ:複数の選択肢を同じ条件で比べた検証も、AIが答えきれない領域です。検証には、実際にかけた手間と、独自の判断基準が必要だからです。

AIの性能は数か月単位で上がり続けていますが、「まだどこにもない一次情報を自ら生み出せない」という点は変わっていません。

4. Google自身は何と言っているか

「AIに選ばれるための特別な対策(GEOやAIOと呼ばれるもの)が必要だ」という話をよく聞きますが、Google自身の説明は少し違います。Googleの検索担当者向けの公式の案内では、AI OverviewsやAIモードに表示されるために、追加の要件や特別な最適化は必要なく、これまでのSEOの基本がそのまま当てはまるとしています。

つまり、「AI向けの裏技」を探すより、読者の役に立つ内容を、分かりやすい構成で書くという基本を徹底するほうが確実です。GEOと呼ばれる工夫の多く(結論を先に書く、見出しを整理する、根拠を示す)も、実はこれまでの良い記事の書き方と同じです。

公式ガイドで「必要ない」とされていること

Googleは2026年7月に更新した「生成AI機能向けの最適化ガイド」で、よく聞く「AI対策」の多くを、Google検索では不要と明記しています。

よく聞く「AI対策」

Googleの説明

llms.txtなど、AI向けの専用ファイルを置く

Google検索では使っていない。作っても、検索での見え方は良くも悪くもならない

文章を短い塊に細かく分ける

不要。1ページに複数の話題があっても理解でき、理想の文字数もない

AI向けの言い回しに書き換える

不要。AIは同じ意味の言葉や検索の意図を理解する

他のサイトで自社への言及を不自然に増やす

効果はない。操作はスパム対策で除かれる

AI向けの構造化データを入れる

AI向けの特別なマークアップはない(通常の検索結果の表示には役立つ)

反対に大切だとされているのは、独自の一次情報や視点がある内容、見出しと段落で整理されたページ、そして検索結果に説明文付きで表示できる状態でインデックスされていることです。後述のSearch Consoleの設定が「含める」(初期設定)であることも、表示の条件です。

5. 中小企業・BtoBサイトにとっての意味

AI Overviewsの影響は、資本力のある大企業よりも、専門性や現場の経験を強みにできる中小企業にとって、むしろチャンスになり得ます。大量のページを機械的に量産するタイプのSEOは、AIの要約に飲み込まれやすい典型だからです。逆に、社長や現場の担当者が長年の経験から語れる内容、実際に手がけた案件の裏側、業界特有の勘所は、他社が簡単にはまねできず、AIも作れません。

  • 「情報を並べる記事」から「経験を語る記事」へ:一般論より、実際に対応した案件の工夫や失敗を交える
  • 本数より、一次情報の密度:記事を増やすより、1本あたりの独自性を高める
  • お客様の「生の質問」を記事にする:検索キーワードだけでなく、問い合わせや商談で実際に聞かれた疑問を出発点にする

6. 今からできる対策

対策は、「AIに引用されやすくする工夫」と「AIにまねできない価値づくり」の両輪です。

AIに引用されやすくする工夫

AIにまねできない価値づくり

結論を冒頭に書く

自分で試した結果や、現場の具体的な数字を入れる

見出しで段落の中身を明確にする

同じ条件で自ら比べた結果を示す

箇条書きや表で要点を整理する

「なぜそうなるのか」という独自の解釈を書く

出典やデータを示す

情報を更新し続け、鮮度を保つ

今週から始められることもあります。

  1. 主要なキーワードで検索してみる:自社の主力ページに関連する言葉で検索し、AIの要約が表示されるか、自社のサイトが引用されているかを確かめる
  2. Search Consoleで変化を見る:AI OverviewsやAIモードでの表示回数が分かる「生成AIのパフォーマンスレポート」が、2026年8月31日に全世界のサイトで使えるようになった(10月時点でクリック数は含まれない)。通常の検索のレポートと見比べ、表示回数は変わらないのにクリック数だけが減っているページは、AIの要約の影響を受けている可能性がある
  3. 直近の問い合わせを1つ記事にする:お客様から聞かれた疑問への答えを、担当者の言葉で記事にする
  4. 反響の良い記事の冒頭に結論を足す:記事の一番上に、結論を1〜2文で追加する
生成AIのレポートで表示を確認し、通常の検索のクリック数と見比べ、影響の大きいページに結論と一次情報を足す3つの手順

7. 自社のコンテンツをAIに使わせるか:選択肢と注意点

自分たちのコンテンツがAIに無断で使われることへの懸念も高まっています。日本新聞協会は2026年4月の声明で、AI検索が報道機関の記事を無断で使うことに強い懸念を示し、利用を拒否できる仕組みの導入や、その意思の尊重を法的な義務にすることを求めました。

サイトの運営者として知っておきたいのは、Googleの仕組みの上で何ができるかです。

  • Search Consoleの新しい設定で、AIの要約から外せる:2026年6月に発表され、8月31日から全世界のサイトで使えるようになった。「設定」の生成AIの項目で「除外」を選ぶと、AI Overviews、AIモード、Discoverの生成AI機能に使われなくなる。Googleは通常の検索の順位には影響しないと説明している。ただし、これらからの流入はなくなり、ページ単位では選べない。反映には数日かかる
  • 「Google-Extended」の設定では、AI Overviewsは止められない:Google-Extendedは、GoogleのAIモデルの学習などに使わせるかを選ぶ設定で、検索のAI OverviewsやAIモードへの表示には影響しない
  • 「nosnippet」などのスニペットの指定:ページ単位で要約に使われる範囲を制限できるが、通常の検索結果の説明文も消えるため、検索からの流入そのものが減るおそれがある
Search Consoleの設定、Google-Extended、nosnippetの3つの選択肢で、止められる範囲と副作用を比べた図

多くの中小企業にとっては、AIに使わせないことより、「引用されたうえで、読みに来た人を満足させる」ことを目指すほうが現実的です。制度の面でも、2025年に成立したAI法(AI推進法)のもとでのルール作りや、文化庁による「AIと著作権」の考え方の整理が進んでおり、人が時間と手間をかけて作った一次情報の価値は、今後さらに重視されていくと考えられます。

8. よくある誤解

「うちは特にSEO対策をしていないから関係ない」:AI Overviewsは、特別な対策をしていないサイトの情報も要約の材料にします。何もしていないからこそ、得られていたはずのクリックが静かに減っている可能性があります。

「AIに書かせた記事を増やせば対策になる」:AIが書いただけの一般的な内容は、AIの要約と性質が近く、差別化になりません。Googleも、検索順位を上げる目的で中身の薄いページを大量に作ることはスパムとして扱うとしています。

「AI Overviewsに引用されればそれで十分」:引用はゴールではなく入口です。Pewの調査では、要約の中の参照元のリンクがクリックされたのは1%でした。引用されたうえで、開いたページに要約以上の情報がなければ、読者はすぐ離れてしまいます。

9. まとめ

  • AIの要約が表示された検索では、クリックの割合がほぼ半分に下がったという調査がある(8%対15%)
  • 用語の意味や単純な手順は流入が減りやすく、深い分析・一次体験・比較検証は残りやすい
  • Googleは、AIの機能のために特別な最適化は不要で、SEOの基本がそのまま当てはまるとしている
  • 専門性や現場の経験を持つ中小企業・BtoB企業には、むしろチャンスになり得る
  • AIの要約から外したい場合は、2026年8月31日から全世界で使えるSearch Consoleの設定を使う(サイト単位)。Google-Extendedでは止められない
  • llms.txtや文章の細分化など、Googleが「必要ない」としている対策に費用をかけない
  • 引用はゴールではなく入口。開いた人を満足させる一次情報を厚くする

10. 参考資料

この記事を書いた人

野澤 孝理の横顔と上半身

株式会社curve

野澤 孝理

デジタルマーケティングを中心にClaude CodeやCodexを活用したサイト型LP制作、集客ツール設計、解析ツール導入や業務改善システムの構築等の集客×AIを掛け合わせた包括的支援を展開しております。

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